PR Standard ―広報の基礎知識―

「プレスリリース」って?

2019-07-19 / by 安藤 英祐

 

 

前回、そもそもPRとはなにか、忘れてはいけない大原則についてお話しました。今回はPR活動実務における基本「プレスリリース」について、知っていきましょう。

単にリリースとも呼称される、A4サイズ2~3枚程度の文書。企業がマスコミに報じてほしい内容を伝える目的で作成します。書き方に厳密なルールはなく、近年はデザインに凝ったリリースも散見されます。しかし本来のあり方から逸脱したリリースはマナー違反であり、メディアに見向きもされないだけでなく、最悪のケースでは、もう送ってこないでくださいと遮断されてしまうことも……。


リリースのマナーとして、思い出して頂きたいのはPRの基本である「公益性」です。その発表に公益性があるかどうか。たとえば代金15%オフのキャンペーンを開催しますという情報は、はたしてマスコミにとって報じる価値があるでしょうか? よく考えてみてください。微妙かもしれないと感じたら、再考すべきです。自社ホームページに載せるなら、些細な情報でも構いませんが、マスコミに送るリリースであれば、ひとひねり欲しいところです。表現の仕方を工夫してニュースバリューを高める必要があり、こういった仕事をKMCでは「情報編集」と呼んでいます。


文章の書き方そのものにも気を配りましょう。リリースは「報道資料」とも呼ばれ、マスコミが個別取材する手間を省略する意味合いを併せ持ちます。リリースは企業の公式発表であり、そのまま報じて構わないというのが不文律なのです。商品やサービスの名称を正確に記載するのはもちろんのこと、数値やデータなどは、主観を排した客観的な書き方を徹底してください。

リリースの書き方ひとつで、テレビからの取材に繋がることもあれば、大掛かりなキャンペーンなのに報道ゼロで終わってしまうことも……。この小さな書類が結果を左右します。リリース作成する際は、時間とコストをしっかり掛けて、ノウハウを注ぎ込むべきです。

 

今日もまた「あの企業のリリースはひどい」「もう対応するのも面倒」なんて会話が、あちこちの編集部で交わされています。本当の話ですよ。

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Tags: PRの基本

安藤 英祐

Written by 安藤 英祐

「PR」「広告」「WEBメディア」3領域でのビジネスキャリア保有。とくにデジタル領域の施策について知見あり。